美濃加茂市の指定文化財
絹本著色十六善神図(けんぽんちゃくしょくじゅうろくぜんしんず)
区分: 市指定有形文化財
種別・種目: 絵画
時代: 室町時代後期
大きさ: 106.6×51.3㎝
所在地: 蜂屋町上蜂屋
所有者(管理者): 瑞林寺
指定年月日: 2011年(平成23年3月18日)
解説
 十六善神図は大般若経とその護持者を守護する善神を描くものです。本図は瑞林寺に伝来したもので、釈迦を中央に、左右に文殊、普賢菩薩および法涌(ほうゆう)、常蹄(じょうてい)菩薩を置き、下方に深沙大将(じんじゃだいしょう)と玄奘三蔵、その周りを十六善神が囲むような形で表されています。描写も精緻であり全体的には必ずしも保存状態は良好とはいえませんが、釈迦三尊は金泥(きんでい・金粉をにかわで溶いたもの)で描き截金風に文様をつけていることがわかるなど、制作時の様子をよく知ることができる貴重な作品です。
 制作年代としては、同じく瑞林寺の仏涅槃図(岐阜県重要文化財)と作域も近く、同時代の制作と考えられます。禅宗寺院では正月三が日に国家安寧・無病息災・五穀豊穣などの祈祷である、大般若会法要を執り行い十六善神図を本堂正面に掲げる慣習があります。 瑞林寺でも、本図を毎年元旦から6日までの間、本堂に掲げており、現在も大切に保管されています。