美濃加茂市の指定文化財
瑠璃光薬師如来坐像(るりこうやくしにょらいざぞう)
区分: 市指定有形文化財
種別・種目: 彫刻
時代: 平安時代後期
大きさ: 高さ59.4㎝
所在地: 蜂屋町上蜂屋
所有者(管理者): 光徳寺
指定年月日: 1960年(昭和35年3月15日)
解説
 下米田町西脇にある光徳寺薬師堂の本尊で、秘仏として祀られてきた仏像です。現在は廃寺となった安養寺に、もとは祀られていたとされています。榧(かや)造りで、顔を前に向け、衲衣(のうえ・僧が着る法衣)を着けて結跏趺坐(けっかふざ・両足を組んだ座り方)しています。左手に薬壺(やくこ)を持ち、右手は施無畏印(せむいいん・手を上げて手の平を前に向けた印相)を結んで座る、薬師如来としては通例の像です。
 大きめの肉髻(にくけい・頭頂部)、奥行きのある頭部、堂々とした体つきからは、この像が比較的古い様式であることがわかり、平安時代後期の作と思われます。後世の補修(顔、両手など)はありますが、市内の仏像の中では時代が古く、台座が残っていることでも貴重です。また、制作時期が平安期にさかのぼるものとすれば、下米田には古代から、かなりの富の蓄積と豊かな文化があったものと推定されることでも重要です。なお、脇侍としては後補が著しい日光・月光菩薩立像、および十二神将のうち2体が伝存します。現在は美濃加茂市民ミュージアムに寄託となっています。