美濃加茂事典
岩波茂雄(いわなみしげお)
 1881(明治14)年、長野県に生まれる。1913(大正2)年、岩波書店を創業。近代日本の出版文化の功労者。津田主宰の早稲田大学東洋思想研究室の機関誌『東洋思想研究』は岩波書店から刊行。この刊行にあたり新宿中村屋の相馬愛蔵が援助。多くの文化人が集うサロンになっていた中村屋に岩波茂雄と津田左右吉も出入りしていた機縁から発刊に繋がったという。1940(昭和15)年、津田左右吉の著書で岩波書店が発行した『神代史の研究』『古事記及日本書紀の研究』『日本上代史研究』『上代日本の社会及び思想』の4冊が皇室の尊厳を冒涜する反逆思想とみなされ、津田とともに出版法違反起訴された。判決は二審で免訴となった(津田事件)。1945(昭和20)年、多額納税者として貴族院議員となった。1946(昭和21)年、文化勲章受章。1946(昭和21)年、逝去。
【図書資料】No. 18802『津田左右吉―その人と時代―』p20~21、No.21021『没後50年 津田左右吉展』p19,23~27
【歴史資料】No.14007『日本上代史研究』、No.14237『神代史の研究』、No.14238『古事記及日本書紀の研究』、No.14240『上代日本の社会及び思想』