美濃加茂事典
たくあん(たくあん)
 冬の農家で大量に収穫される大根は、大きな桶に漬けられ1年を通して食べられていた。大根がしなるまで10日ほど干してから、なすの葉、渋柿の皮、塩、とうがらし、こぬかとともに桶に漬け込む。大根を干す時は4本づつ葉の根元でしばり、それを竹で作ったさおに渡して干す。なすの葉は夏、採ったもの、渋柿の皮は干し柿を作ったときにでたものを、それぞれ干し乾燥させた後、手でもんで細かくして使う。漬けて1年以上経ち、古くなった漬物は「ひね漬け」と呼ばれ、これを、薄く切って塩出しし油で炒め、しょうゆ、みりんで味付けし食べられていた。
【基本図書】『市史/民俗編』p176
【図書資料】№703『聞き書 岐阜の食事』p309,311、№835『美濃生活絵巻』(上)p48 、№10699『おばあちゃんちのおかって №1』