美濃加茂事典
赤池上古墳(あかいけがみこふん)
 美濃加茂市川合町1丁目に所在する、古墳時代後期が中心と考えられる群集墳。木曽川右岸の河岸段丘上(低位面)では古墳が集中して造営されており、同古墳(群)は、加茂南部古墳群の一部をなしている。同一段丘上の亀渕古墳群(16基)と連続するものと考えられる。
 1号墳は二段築成の円墳で川原石の葺石が遺存しており、径19m、墳丘の高さは3mを測る。平成23(2011)年には、1号墳の範囲確認調査を実施した。同墳付近から出土したとされる須恵器は、7世紀代の猿投産を中心とした坏身、平瓶、フラスコ瓶、甕であり、関連する可能性がある。2号墳は1号墳の東に位置し、径10m、墳丘の高さは1.8mを測る。3号墳は、1号墳の西に位置し、径9m、墳丘の高さは1.5mを測る。
 また平成11(1999)年には、発掘調査(野笹遺跡)において、石室及び周溝の一部が発見され、赤池4号墳と命名されている。推定される墳丘は径12mの円墳とされ、石室の基底部から側壁の4段目まで川原石が用いられていること等から、川原石積式石室(疑似両袖式)と考えられる。石室内からの出土遺物は、7世紀後半に比定され、被葬者への副葬品としは最終段階に位置づけられる。
 昭和6年には、小川栄一による報告がなされ、昭和7年2月、「史跡保存地」として岐阜県から指定されている。
【基本図書】『市史/通史編』p149,155
【図書資料】№708『大古井』p85,86、№824『岐阜県史 通史編 原始』p322、№3092『郷土研究資料 第三号 小川栄一氏研究 加茂郡古墳調書』p41、№9935『野笹遺跡Ⅱ 赤池4号古墳(岐阜県文化財保護センター調査報告書第71集)』
【データベース】「みのかもを考古学しよう!」赤池古墳群