美濃加茂事典
長谷川史郎(はせがわしろう)
 戦後複数の文芸雑誌を出版していた加茂郡古井町森山(現美濃加茂市森山町)の長谷川書房の代表。飛騨川河畔にあった料亭・昭月に住んでいた。戦後、大畑(前田)威渡辺和郎らが発行していた文芸誌『若葉文藝』に途中から参加し、詩人、作家の集まりの中で、経営者として長谷川書房、若葉文藝社、詩稿社の活動を牽引した人物。大畑宅にあった編集室は途中から「昭月」に移転している。自らも『若葉文藝』誌上に詩と映画評論を寄稿した。岡本一平とも交流を持ち、一平がまだ白川にいた頃、長谷川は一平からの手紙を『若葉文藝』に掲載し、読者に「地方文化」について伝えた。音楽や映画、カメラなどにも興味を持つ多趣味な青年であった。戦後の混乱期に地方にいながら雑誌経営に挑んだばかりでなく、若葉文藝社に図書室や音楽部を作るなど出版社経営を超えた活動を目指した。1947(昭和22)年、22歳で病死する。それにより『若葉文藝』は終刊、『詩稿』はしばらく休刊となった。
【基本資料】『市史/通史編』p1046
【【図書資料】№3049『若葉文藝 正月号』、№22093『世態人情を描く 岡本一平展』、№23149『「地方文化のつくりびと」 -詩人 長尾和男と若葉文芸』
【歴史資料】№18690『文學雑誌 蓑座』、№18691『若葉文藝 別冊1』、№19452『さちや SATYA 37 (詩稿)通巻46号』、№19457『SATYA 詩文学雑誌 45』、№19476『詩誌サチヤ SATYA 69』、№19506『詩誌サチヤ SATYA 100』、№19740『詩誌 さちや (2002~2008)』(№120,124)
【展示情報】企画展2012「世態人情を描く 岡本一平展」企画展2014「地方」文化のつくりびと―詩人・長尾和男と若葉文藝」
【関連情報】〈中央図書館〉『若葉文藝』100214824、100214832、100214840、100214857、100214865、100214873