美濃加茂事典
矢田廃寺跡(やたはいじあと)
前平町に所在する。1958(昭和33)年、加茂自動車学校建設に伴う道路工事中に、白鳳期(7世紀後半)の瓦が出土した。主な瓦は、軒丸、丸瓦、平瓦の各形式がみられる。特に軒丸瓦は、複弁6弁の蓮華文、中房は大きく1+3+8の蓮子、外縁には二重の段違の鋸歯文からなり、川原寺系に位置づけられる。また、鴟尾瓦がみられるのは、県下でも注目される。過去には、現地に約1m四方の大きさで高さ約60cmの礎石と考えられるものが二基あったとされている。