美濃加茂事典
佐口佐太郎(さぐちさたろう)
大正年間、粘土質のやせた土壌であった山之上の上野地区を開墾し果樹栽培をはじめた佐口の人(1898~1988)。1924(大正13)年頃、佐口は一般的な農地としては不適だった上野の土地を約1ヘクタール借り受けて開墾を行い、柿の栽培を始めた。当初はかなり困難をきわめた。佐口佐太郎は最初に柿を植え付けた状況を「沿革史並びに年記」に次のように記している。「県下に於ける果樹栽培は第一位は本巣郡の富有柿なり、之を我が山之上村に栽培するを思い付きれば大正十年秋未だ浅い十月なり、当時蜂屋村に美濃輪十太郎氏を訪い美濃町の柿圓に見学し節、我の山之上村の土質よりも悪い事を見、上野原の原野にも柿栽培も不可ならずと思いて、家の近所に先ず其の年の中に二十本の柿の苗を植え付けたり」