美濃加茂事典
十二社神社陶製経筒(じゅうにしゃじんじゃとうせいきょうづつ)
 山之上の十二社神社(西洞)の境内か付近にあった経塚からの出土品とされる、仏教の経典を納めた鎌倉時代の陶製容器。法量は、筒身が口径12.5cm×高26.2cm、蓋が径14.8cm×高3.9cmである。美濃加茂市指定有形文化財[歴史資料]。容器の蓋には、願主と考えられる人物名「物部為貞」、容器の製作年を示していると考えられる「文治三」(1187年)、「七月」が刻書されている。胎土の特徴や焼成状態から、現在の各務原市の北部山地一帯にあった美濃須衛古窯址群で生産されたと考えられる。筒身には三筋文が施されており、美濃須衛古窯址群の製品では、壺に類例がみられる。
【図書資料】№7774『美濃加茂市文化財調査集録第3集』渡辺博人「文治三年記年銘陶製経筒について」、№9425『文字の登場、そして広まり 古代中世の人と文字をめぐって』、№26105『まちのいいものよいところ 山之上展』
【データベース】美濃加茂市の文化財 指定文化財一覧 「十二社神社の陶製経筒
【展示情報】企画展2001「文字の登場、そして広まり 古代中世の人と文字をめぐって」企画展2017「まちのいいものよいところ 山之上展」常設展「十二社神社陶製経筒」