美濃加茂事典
カニサイ(かにさい)

  学名キロテリウム(Chilotherium pugnator)。中新世(ちゅうしんせい)から鮮新世(せんしんせい)にかけて生息していた奇蹄類(3本指)のサイ。化石が、岐阜県の可児地方でよく見つかっていることから、カニサイという名が付けられた。今のクロサイと同程度の大きさだったと推定され、湖や川などの水辺に暮らしていたと思われる。化石が見つかる地層は今から約1900万年前の瑞浪層群中村累層である。ここからはカニサイのほかビーバーやバクといった哺乳類、魚類、貝類、また大量の植物化石が多く見つかり、当時この辺りが浅い湖のほとりであったことを物語る。1993(平成5)年3月、美濃加茂市御門町の木曽川河床でカニサイの足跡化石が発見され、日本最古の大型哺乳動物の化石として注目を浴びた。足跡化石はレプリカで保存され、現在は美濃加茂市民ミュージアムに展示されている。
 また、1994年の夏には、同じく木曽川河床(太田橋のやや下流)で、400本を超える化石林(直立樹幹化石群)が見つかった。

【図書情報】№2799『大地の生い立ち美濃加茂(美濃加茂ふるさとファイル№5)』、№3501『市民のための美濃加茂の歴史』p11、№4494『美濃加茂盆地・中村累層の地層と化石-大型哺乳動物足跡化石調査報告書-フィッション・トラック年代測定結果』、№7771『美濃加茂盆地における中村累層の地層と化石 -大型哺乳動物足跡化石と化石林調査報告書-』、№18600『美濃加茂にサイやゾウがいた頃 みのかもの大地と化石』、№18781『瑞浪層群の古環境 -中新世の美濃加茂盆地・陸域の古環境を探る-(シンポジウム資料集)』
【展示情報】企画展2003「美濃加茂にサイやゾウがいた頃」展常設展「カニサイの足跡化石」
【関連情報】〈美濃加茂市ホームページ〉市政情報 情報公開 広報みのかも PDF版 「クイック広報」足型写真 H5.7.1ページ2、夢 広がる太古の美濃加茂 H6.3.1ページ2,ページ3,ページ4、化石は語る 太古の美濃加茂(2) H7.3.1ページ10、化石は語る 太古の美濃加茂(4) H7.5.1ページ8