美濃加茂事典
竹田尚史(たけだひさし)
1976(昭和51)年、愛知県に生まれる。自然界の質量や重力に着目し、立体作品や写真、インスタレーションなどの多様な表現を展開する作家。当館の森を舞台に作家たちが各々に、新たな表現の実験を行う企画「みのかもannual」に初期から参加しているメンバーの一人でもある。物理的な関心を持ち、はかりや時計といった数字を司る道具を素材として用いる。それらの表示値を変えたり、物体を解体したり、別の物質に置き換えて提示することで、モチーフは重力や質量、時間を示す数値から解かれた状態で現実の中に浮遊する不可思議な存在と化す。固定概念から放たれるような機知に富む作品群は現実と背中合わせの仮想の世界を立ち上げる。2019(令和元)年に「芸術と自然」をテーマとする現代美術レジデンスプログラムで滞在制作と発表を行う。初期から続けている自分自身の身体と同等の質量を森で探して空気や水などに変換することを試み、展示室と森の中で展開した。
【展示情報】企画展2010「文化の森ギャラリー2010/Woods Land Gallery」、企画展2011「文化の森ギャラリー 2011/Woodland Gallery 2011」、企画展2012「文化の森ギャラリー 2012/Woodland Gallery 2012」、企画展2013「WOODLAND GALLERY 2013」、企画展2014「美濃加茂Annual2014 gallery to grow thick」、企画展2015「美濃加茂Annual 森のオープンスタジオ」、企画展2016「みのかもannual2016 わいわいアートフォレスト」、企画展2017「みのかもannual2017 On location」、企画展2018「みのかもannual2018 焦+-」、企画展2019「みのかもannual 明日をやる」、企画展2019「竹田尚史 質量の泉と重力の霧」