美濃加茂事典
若嶋座(わかしまざ)
 大正末期から太田町にあった芝居小屋。太田における芝居小屋は明治20年代に始まった太田・上町の盛栄座が最初と言われている。明治30年代、太田・中町(現在の中山道会館西)に芝居小屋・河内座ができ、明治40年代には、その南に福助座ができた。大正末期に下古井の日比野鎌三郎が経営を引き継ぎ、福助座は若嶋座と名称を変えた。昭和初期、不況によって商店の売り上げが落ち込み、その回復のために太田の商店街は「ロンドン街」というハイカラな名前を付けた。若嶋座には「太田ロンドン街発展会」と染め抜いた緞帳を寄贈して客への宣伝に努めた。のち1945(昭和20)年に若嶋座は前進座と名称を変え、映画館として営業するようになった。
【基本図書】『市史 通史編』p780,782,888、『市史 民俗編』p286
【図書資料】№852『美濃生活絵巻 下』p92、№1311『写真集 明治大正昭和美濃加茂』p56、№22321『中山道太田宿に生きた人々の系譜』p132,133