美濃加茂事典
游於藝(げいにあそぶ)
 坪内逍遙がよく書作品にした言葉の一つ。孔子『論語』の「子曰、志於道、據於德、依於仁、游於藝」(子曰く、道に志し德に據り、仁に依り、藝に游ぶ)という一節から、自由に藝(教養)を楽しむ、という意味を持つ言葉。また、演劇の革新を目指した逍遙は演劇の研究実演団体「文芸協会」を設立して俳優を養成し、私財を投じて試演場を作っているが、その舞台正面にも、この言葉の木額を掲げた。字は弘法大師・空海の字を集字したと伝えられ、恐らく上杉神社の「綜藝種智院式並序」から集めたものと思われる。
 逍遙はこの言葉に、自らの仕事への思いを振り返る和歌を書き添えた作品も残している。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館では、「游於藝」と書いた額装の書、文芸協会に掲げた木額などを保存している。
【図書資料】No.29028「墨伝う思い―書を通して知る文人 坪内逍遙」『美濃加茂市民ミュージアム紀要 第20集 2021』p14-23
【歴史資料】№13258『演劇人 坪内逍遙』p43、№2426『坪内逍遙・會津八一(図録)』
【展示情報】企画展2020「美濃加茂市・早稲田大学文化交流事業 墨伝う思い 書を通して知る文人・坪内逍遙」