美濃加茂事典
播隆(ばんりゅう)
 江戸時代後期の山岳修行僧。1786 (天明6)年、越中国(現富山県)に生まれる。30歳ごろ浄土の念仏行者になり、深山幽谷で修行するかたわら槍ヶ岳の開山に励んだ。文政11(1828)年に登頂を果たし、山頂に仏像を安置して参道を開いた。その後は、兼山の浄音寺に滞在して民間への布教活動に専念した。1840(天保11)年、滞在先の中山道太田宿脇本陣において、55歳で永眠した。埋葬された弥勒寺が廃寺になった後、祐泉寺に改葬されている。同寺境内には、播隆の墓碑のほか歌碑、名号碑が建っている。彼の独特の書体で刻まれた名号碑(南無阿弥陀仏と刻まれた石碑)は加茂郡をはじめとした各地に残り、今もその足跡と信仰を知ることができる。山之上地区中之番の辻にも1基遺されている。
【基本図書】『市史/通史編』p572、『市史/史料編』№563~565
【図書資料】№3501『市民のための美濃加茂の歴史』p98,103、№4200『槍ヶ岳開山 播隆(増訂版)』、№5736『山岳佛教 念佛行者播隆上人』、№7786『播隆 槍ヶ岳を開山した念仏行者』(美濃加茂ふるさとファイル№7) 、№26773『求道の念仏行者 山の播隆』、No.27140『瑞林寺五百年のはるかな旅展」p15
【展示情報】企画展2008 穂苅三寿雄・貞雄写真展「播隆が見た山々」、常設展示「いのりに生きた人々