美濃加茂事典
正眼寺(しょうげんじ)
 美濃加茂市伊深町寺洞にある臨済宗妙心寺派の寺院。関山無相大師が 1330 (元徳2)年以降数年間、伊深に庵を結び修行したのがはじまりといわれる。寛永のはじめ、錐翁が関山山(せきざんやま)に草庵を構えたが、彼が去ったのち寺は荒廃した。1658 (万治元)大極唯一が禅徳寺の僧玄與とともに3年間ほどの庵を建て、初祖山円成寺と命名した。
 その後、1669 (寛文9)年に領主佐藤吉次は敷地をはじめ諸用材を寄進した。妙心寺本山からも山林田畑を贈り、山の名を妙法山と改め寺を正眼寺とした。1847 (弘化4)年、雪潭紹璞が入山すると、修行のための設備をととのえ専門道場としての正眼寺を完成させていった。
 美濃加茂市の有形文化財に指定されている甲冑は1677(延宝5)年、佐藤家より正眼寺に寄進された。江戸時代、伊深を知行地として支配していた佐藤家のもので、堅甲な造りと機能美を備えた室町末期から戦国時代にかけての作品と伝えられている。境内のシダレザクラ(正眼寺のシダレザクラ)は樹齢約300年の古木で、市の天然記念物に指定されている。
【基本図書】『市史/通史編』p288、『市史/民俗編』p409~414
【図書資料】№907『妙法山正眼禅寺誌』、№3501『市民のための美濃加茂の歴史』p111,112
【データベース】〈地域の文化資源〉「美濃加茂市の指定文化財」指定文化財一覧 正眼寺のシダレザクラ佐藤家甲冑
【歴史資料】H19986「正眼寺(由緒書)」