美濃加茂事典
三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう)
 1839(天保10)年、江戸に生まれる。幕末から明治にかけ人気を博した落語家。人情噺、怪談話を得意とし、後年は扇子以外の道具を一切使わない素咄に転じた。1884年、坪内逍遙が圓朝の速記本「怪談牡丹灯籠」の序文を執筆し、語りの巧みさを称賛している。また二葉亭四迷は逍遙の勧めで圓朝の速記本を参考にして、言文一致の文体の作品を創作した。1900(明治33)年没。また、第18回坪内逍遙大賞受賞者の白石加代子が朗読劇「百物語」の中で、圓朝の「江島屋騒動:鏡ヶ池繰ノ松影」(29話)、「真景累ヶ淵」(57話)、「怪談牡丹灯籠」(80話)を取り上げている。