美濃加茂事典
中村岳陵(なかむらがくりょう)
1890(明治23)年、静岡県下田に生まれる。東京美術学校で日本画を学び、戦中までは日本美術院展、戦後は日展を中心に作品を発表する。
岳陵は坪内逍遙と交流が深かった美術団体「離騒社」の同人でもあった。「離騒社」は早稲田大学坪内博士記念演劇博物館を援助する目的で作品の寄附を申し出た。同人は幾度か逍遙の熱海の別荘・双柿舎にも行っており、岳陵は1929(昭和4)年に双柿舎を訪れている。會津八一や離騒社の同人が絵を描いた逍遙旧蔵の画帖『山荘風流』(演劇博物館蔵)には、岳陵の絵も含まれている。
また、逍遙の希望で岳陵は、演劇博物館の後援団体であった国劇向上会編集の演劇雑誌『藝術殿』の表紙を描いた。1969(昭和44)年没。
【図書資料】№1491『坪内逍遙事典』、№27146『美濃加茂市民ミュージアム紀要 第18集』
【歴史資料】No.13184『藝術殿』創刊号