美濃加茂事典
小杉放庵(こすぎほうあん)
 1881(明治14)年、栃木県日光に生まれる。洋画を学び、未醒の名で漫画や挿絵、油彩を手掛けるが、後に雅号を放庵(放菴)に改め、後年は水墨や日本画の制作に傾倒した。昭和初期、風景案内記を手掛けた小杉放庵は木曽川を訪れて絵を描いている。放庵の絵と田中純の文による「木曽川下り」『美濃と飛騨の旅』(日本風景協会発行、1931年)には、二人が太田観光と川下りを楽しんだ様子が記され、挿絵には岩場近くを進む舟の景が描かれている。またこの旅の3年後の1934(昭和9)年の『風景』の創刊第1号には、日本ライン観光や播隆の碑についての文章を書いている。1964(昭和39)年、死去。