美濃加茂事典
北原白秋(きたはらはくしゅう)
 1885(明治18)年、福岡県に生まれる。詩人、歌人。早稲田大学英文科予科中退。代表作に詩集『邪宗門』、抒情小曲集『思ひ出』など。大正時代中頃から童謡の創作に力を注いだ。白秋は二度、美濃加茂を訪れた。1927(昭和2)年、東京日日新聞と大阪毎日新聞が観光ブームを背景に日本各地の景勝を選定、木曽川が「日本新八景」河川部門第1位にとなる。新聞紙上では新八景の紀行文を連載、木曽川を担当した白秋は、木曽川で乗船した体験記として「日本ライン」を書いた。二度目の来訪は1932(昭和7)年10月、歌人の吉植庄亮が同行し、木曽川畔の望川楼に宿泊した。この時、白秋が酒に酔いながら祐泉寺に入り込んだという逸話が残されている。白秋は住職に私製葉書をもらい、懐に持っていた矢立で歌を書いたという。寺の境内にはその歌の碑が建っている。1942(昭和17)年、死去。
【図書情報】№543『白秋の文学碑 北原白秋生誕百年記念』、№545『白秋と柳川』、№29564 『白秋全集』22 、№23386『「ラインの風景」展 -めぐる人々とその歴史-』
【関連情報】広報みのかも№1070(2022年8月号)p2(書かれたこの地を読む)、広報みのかも№1071(2022年9月号)p2(書かれたこの地を読む)