美濃加茂事典
池波正太郎(いけなみしょうたろう)
 1923(大正12)年、東京の浅草に生まれる。戦後、東京都職員として働きながら脚本執筆活動を開始。「鬼平犯科帳」「剣客商売」など江戸を題材にした時代小説で人気を博す。1960(昭和35)年直木賞受賞。1977(昭和52)年、吉川英治文学賞受賞。1990(平成2)年、死去。作家として名を成す前の若い頃、一時期、太田町(現在の美濃加茂市)に住んでいた。自身の青春時代を綴った『青春忘れもの』(中公文庫、1974年)には、戦中に国民勤労訓練所に入り、東京・芝浦の萱場製作所の旋盤機械工となった翌年、木曽川畔にできる萱場の新工場で徴用工員に教えるために太田へ来た経緯が書かれている。またエッセイ「私の休日」(『日曜日の万年筆』新潮社、1982年)にも、太田から渡し船で工場へ通い、働いた様子が綴られている。
【歴史資料】№20262『青春忘れもの』、No.30688『日曜日の万年筆』
【関連情報】広報みのかも№1074(2022年12月号)