美濃加茂事典
召集用状箱(しょうしゅうようじょうばこ)
 召集令状を届ける際に用いられた箱。戦時中、各村役場では予備軍人に対する召集令状を一早く本人の手元に届けるため、臨時の使丁(用務員)を雇った。陸軍発行の令状は最寄りの警察署の金庫に保管され、動員令が出されると警察官が市区役所・町村役場にこれを持参し、役所役場の兵事係吏員、使丁が応召者本人(不在の場合はその家族に)に直接手渡す。召集令状には到着すべき部隊・日時が明示されており、用紙が淡紅色であることからその令状を赤紙と称しました。使丁の契約条件には「1時間に1里半(約6㎞)」走れる者」などと、細かい規定が設けられるなど、早く確実に届けることが最も重要だったことがわかる。美濃加茂市民ミュージアムには、山之上、伊深、古井の各村役場の召集用状箱が所蔵されるが、他村でも同様のものが用いられていたと考えられる。
【基本図書】『市史/通史編』p718
【図書資料】No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p82