美濃加茂事典
御殿山(ごてんざん)
 市の最北部、美濃加茂市三和町と加茂郡七宗町の山境にそびえる市内の最高峰(標高599m)。御殿山山系の主峰でもあり、平木山、天吹山、御殿山、権現山と山々が連なるうちの一つである。加賀の白山にまつわる伝説を持つ山としても知られ、白山から姫君が大蛇とともに飛来し、山頂の館に住んで里人を守ったという蛇姫伝説があり、これが御殿山の由来ともいわれる。山頂に鎮座する白山神社は明治末期に麓の神社に合祀され、今は小さな社が残る。また、起伏に富んだ景観は、修験者にとっても絶好の修行場だったと思われ、各所の岩場などの景勝にそのいわれが残る。林道からの登り口に立つ供養塔には、行者「相真坊賢恵」の名が記され、これは幕末ごろ、加賀藩領の越中国婦負郡で檀那場を形成していた立山信仰の僧の一人と思われる。山中には、三和町洞窟・岩陰遺跡があり、土器片や鹿の骨など、縄文時代中期~後期の遺物が出土している。現在は、山一帯を巡る山道は奥山自然遊歩道として整備され、一年を通して多くの人々が訪れている。
【基本資料】『市史/通史編』p1,116、『市史/民俗編』p459~462
【図書資料】№2675『三和町洞窟・岩陰遺跡発掘調査報告書―昭和57年度―』、
【歴史資料】№3312「三和の伝説」、№8737「御殿山白山神社鎮座」、№8899「御殿山造改築竣工記念関係資料」、№11472「御殿山拾(?)□」、№「御殿山建碑式祭文」