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収蔵品展 「芸術と自然」−時間をめぐって


収蔵品展 「芸術と自然」−時間をめぐって

 美濃加茂市民ミュージアムでは2000年10月のオープン以来、「芸術と自然」「地域ゆかりの作家」をテーマとして、ワークショップや滞在制作、企画展の開催や、関連した現代美術作品を収集してきました。「自然」に対する作家の考え方や最終的な表現方法は様々であり、その中には「時間」の概念と密接な関係を結んでいる作品があります。今回はこの現代美術コレクションのなかから、7月18日から9月6日の間に企画展示室で開催する「なつやすみ歴史探検−考古学にふれる−」展に関連して、過去から現在に至るまでの時の流れ、あるいは自然の中に在り続ける「時間」と「人間」の関係について、アートの世界から眺めてみたいと思います。
 ランドアート(大地の芸術)の作家として知られる大久保英治(おおくぼ えいじ、1944年−)は日本の風土の歴史を読み解きながら流木や石、植物などを素材として、過去から現在に至る時間と場と人の関係性を作品化します。2000年の「芸術と自然」展では、文化の森の林の中に作品を制作しました。
 同じく2000年の「芸術と自然」展に参加した山口啓介(やまぐち けいすけ、1962年−)は、植物や種などを素材やモチーフに扱った立体や平面を制作しています。近年は、未来へと植物の生命を封じ込めた「カセットプラント」のシリーズを各地で発表しています。
 鉄や木による立体やドローイングを多く手がけた若林奮(わかばやし いさむ、1936−2003年)も「芸術と自然」展に出品した作家です。1970年代頃から遺跡や周りの自然のイメージに着目し、自然と時間と空間の認識についての思索を深めました。
 彫刻家・眞板雅文(まいた まさふみ、1944−2009年)は、2004年に「刻−環流」展を開催しました。水、植物、天地や山々といった環境や自然の形を石や木、竹や鉄などによって捉え、古からの時を彷彿させる造形を作り出しました。
 2005年の「足もとの土」展の栗田宏一(くりた こういち、1962年−)は全国各地を回って土を集めながら、足もとの土から自然と人の歴史に思いを巡らせる仕事を続けています。作家によって不純物を取り除かれ、整然と並べられた土は色を放ち、自然のありのままの美しさを伝えます。
 また、美濃加茂市出身の彫刻家・佐光庸行(さこう ようこう、1941−1995年)は、2005年の企画展「素材への思い−力と可能性−」展でも紹介した作家です。屋外彫刻を太古から現在、そして未来へと在り続ける石の存在自体にひかれ、石を素材として風や水、自然と人の関わりをテーマに作品を制作しつづけました。
 それぞれに表された世界観をお楽しみ頂けることと思います。遺跡の森に立つこの美濃加茂市民ミュージアムで、自然の中で紡いできた時間と人の有りようについて、様々な視点から今と重ねて見つめなおす一つのきっかけとなれば幸いです。

会期 平成21年6月27日(土曜日)〜平成21年9月6日(日曜日)
休館日 6月29日(月曜日)、7月6日(月曜日)、13日(月曜日)、21日(火曜日)、27日(月曜日)、28日(火曜日)、8月3日(月曜日)、10日(月曜日)、17日(月曜日)、24日(月曜日)、25日(火曜日)、31日(月曜日)
時間 9時00分〜17時00分
会場 みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム 美術工芸展示室
入場料 無料

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