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世界のつくりかた 大巻伸嗣展


世界のつくりかた 大巻伸嗣展

 美濃加茂市民ミュージアムでは、「芸術と自然」をテーマに現代美術作家による滞在制作や展覧会、ワークショップなどを開催してきました。今年度は岐阜県出身のアーティスト・大巻伸嗣を紹介します。
大巻はこれまで様々な素材を用い、ダイナミックな空間芸術を制作し続けてきました。2002年に始めたインスタレーション≪ECHO≫は、床一面に食紅や岩絵具で花模様を描いた作品です。その中を人が歩き、歴史や文化を背負う図案を崩していく経過は、文明の風化を象徴しています。2009年、岐阜県美術館では大理石の上に絶滅危惧種の花を描く≪Echoes-crystallization≫を発表しました。大巻の作品は、失われるものと再生するもの、光と影、重力、時間の絶え間ない変容を表しています。
作家は国内の美術館やギャラリーでの個展、グループ展を重ねるほか、韓国やシンガポールなど海外でも精力的に活動してきました。岐阜県内でもシャボン玉によるパフォーマンス≪Memorial Rebirth≫を幾度も開催しており、2013年には母校の各務原西高等学校で滞在制作に取り組みました。作家のもとで高校生らが、渡り廊下に据えた巨大な黒板に白いチョークで自分の思いを書き続け、最後は真っ白になる≪黒白(こくはく)≫を制作しています。いまを生きる私たちは目に見えない様々な力に囚われています。その抑圧を解放して、ひたすら描く行為に全身を傾けるとき、人は本来持っている身体的な感覚を取り戻すことができると作家は信じています。
今回の展覧会に向けて作家は5月から8月の間にミュージアムに滞在し、一般の参加者とともに「世界」を創り上げるアートプロジェクトを行いました。参加者はそれぞれに役割を持ち、水や風といった自然の作用、人間や生物、建築物などを舞台上に繰り返し描き続けます。制作期間中、人の手により作られた様々な物象は消滅と再生を繰り返します。現実よりも早いスピードで自然、人間、文明社会が変容する様は、人が想像する未来をも映すものとなるでしょう。
大巻伸嗣の新たな試みを体感していただければ幸いです。


会期 2014年9月14日(日)〜10月26日(日)※月曜休館
時間 9時〜17時
休館日 月曜日(休日の場合は開館、翌日休館)
観覧料 無料
主催 美濃加茂市民ミュージアム+アートボランティア
協賛小乃木画廊(〜2013年10月閉)、株式会社 サクラクレパス、日本ペイント販売株式会社、ぺんてる株式会社、ホルべイン工業株式会社、有限会社 渡辺塗料店

関連企画
名称 大巻伸嗣アーティストトーク
期日 2014年 9月14日(日)
時間 13:30〜14:30
会場 企画展示室・美術工芸展示室
参加料 無料



5月のレポート [pdf:4185KB]
6月のレポート [pdf:365KB]

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