特集展示
自然について
もともと人は自然の一部であり、自然の中に生きています。文明の力で自然の領域を侵してコントロールしようとする時代を経て、今の時代には自然の営みに添い、その恵みを享受しながら生きることに、豊かさを見出す空気があります。 当館では開館以来、「芸術と自然」というテーマで現代美術家による滞在制作やワークショップ、展覧会を開催してきました。この18年の間、自然の営みの中で自らの存在を確かめるように、制作する作家の姿がありました。作家たちはミュージアムを囲む森を歩き回り、美しいものに足を止め、何かを拾い集めたり描き留めたり、様々な心身の働きに身を委ねます。物質として得たもの、見たものをそのまま指し示すのではなく、必ず自意識と摺り合わせて、考えたことを作品という形で表します。それらは一見、静かな面持ちをしていますが、自然についての明確な主張と強烈な個性を読み解くことができます。 こうした出来上がった作品は、自然に対してただ受け身でいるのではなく、決して対立するわけでもない、人と自然の関係性を浮かび上がらせます。その絶妙なバランスにこそ、人間の本来の在り方の原点があると言えるのではないでしょうか。 |
会期: | 2018年(平成30年)5月12日(土曜日)~6月3日(日曜日) 休館日 月曜日(ただし祝日の場合は開館し、直後の平日休館) |
時間: | 午前9時~午後5時 |
観覧料: | 無料 |
会場: | 美濃加茂市民ミュージアム 美術工芸展示室 |