人物をたたえる活動
第20回坪内逍遙大賞
第20回受賞(2024)
野村萬斎(のむら まんさい)(1966- )
狂言師である野村萬斎さんは国内外で多数の狂言・能公演に参加、普及に貢献する一方、現代劇や映画・テレビドラマの主演、舞台『敦-山月記・名人伝-』『マクベス』『子午線の祀り』「能 狂言『鬼滅の刃』」『ハムレット』をはじめ、古典の技法を駆使した作品の演出など幅広く携わられています。23年には全国共同制作オペラ「こうもり」演出、石川県で開催された国民文化祭で開閉会式総合ディレクターを務めるなど、現在の日本の文化芸術を牽引するトップランナーのおひとりです。狂言により古典の知恵を現代に活かすことを根本として活躍されており、古典の技法を駆使したシェイクスピア戯曲の演出や演技に精力的に取り組んでおられ、能・狂言はもとより、現代演劇の出演・演出や、ジャンルを超えた活動に果敢に挑戦する姿勢とその功績は非常に大きいものであり、今回、第20回の坪内逍遙大賞を授与させていただくこととなりました。
受賞コメント
明治という日本文化の大変革期に、シェイクスピア作品の全訳という偉業を独学で成し遂げた坪内逍遙先生の名を冠する賞を、第5回で受賞した師父・野村万作に続き、第20回の節目で頂戴することを、大変嬉しく有難く存じます。文化にはその国々の伝統的アイデンティティがありつつも、それらの時空を超えたところに存在する普遍にこそ、芸術的真実があると思っています。逍遙先生の偉業はまさにその時空を超えたところにあるのだと思います。この賞を頂くことを今までの活動への尚一層の励みとし、さらに日本文化をアップデートし、世界に発信して行きたいと思います。