美濃加茂事典
青木繁(あおきしげる)
1882(明治15)年、福岡県久留米市に生まれる。明治時代、ロマン主義的な絵画で脚光を浴びた洋画家。東京美術学校在学中、上野の図書館に通って宗教や神話を読み、記紀神話や宗教を画題にした作品を白馬会に出品して注目を集めた。1903(明治36)年9月24日に白馬会第8回展を見に行き、青木の絵に感銘を受けた津田左右吉は、日記に長い文章を書きのこしている。この年、青木は白馬賞を受賞した。津田は1906(明治39)年に雑誌『なでしこ』に発表した「法華経の話」でも、神代を画題にした例として青木繁の作品に触れている。青木は1911(明治44)年、肺病のため28歳の若さで夭折した。
【図書資料】No.1700『津田左右吉全集』第26巻