美濃加茂事典
巌谷小波(いわやさざなみ)
1870(明治3)年、東京都に生まれる。児童文学者・小説家。1887(明治20)年、尾崎紅葉らと共に「硯友社」を興し『我楽多文庫』を創刊する。1891(明治24)年、博文館より『少年文学叢書』の第一篇『こがね丸』を発行。以後、少年雑誌の発刊に尽力した。1900(明治33)年、巌谷小波の著作の愛読し、作品を書いていた富加の文学者・木村小舟を博文館に招き、以後小舟は博文館編集局に勤務した。小舟というペンネームの「小」は巌谷小波の名前から採ったもの。小波はまた、東儀鉄笛や坪内逍遙らの朗読会に2回参加している。また小波の『俳味紀行 山から海』(1917(大正6)年発行)の「日本ライン裏書の記」には、可児の土田公園の乗り場から犬山までライン下りをした記述があり、小波が実際にこの地域を訪れていることが分かる。また小波は、加藤友平が加茂野町鷹之巣で製造していた陶芸「ライン焼き」を「蘇峡焼」と命名した。1933年没。
【図書資料】No.1491『坪内逍遙事典』、No.6466『三十年目書き直し こがね丸 名著復刻(日本児童文学館第二集 14)』、No.6421『當世少年氣質 名著復刻(日本児童文学館 2)』、No.30023『俳味紀行 山から海』、No.25895『本と故郷を愛した 木村小舟さん物語』