美濃加茂事典
石版画(せきはんが)
版に石灰石を使って刷る版画。英語でLithograph(リトグラフ)。ドイツのアロイス・ゼネフェルダー(1771-1834 年)が発明し、1798 年に完成した印刷術。石灰石(炭酸カルシウム)にクレヨン、解き墨など油脂材料で絵を描く。その上から、硝酸を加えたアラビアゴム液を塗ると描いた部分は脂肪酸カルシウムとなる。描いた部分は油脂を引き付け、描かない部分は油脂に反発する。石に水を与えて油性インクを塗ると絵の部分だけにインクが付く。その上に紙をのせ、圧をかけて刷る。印刷が終わった後、表面を洗い流して石を磨き直せば何度でも使える。絵を描くだけで版を彫る必要がないため画家が着手しやすい版の種類でもある。江戸時代に西欧から日本にもたらされた石版画は、明治時代に入ると近代化を目指す新しい印刷技術として本格的に導入され発達した。明治10年代には1枚の絵として眺める「額絵」と呼ばれる版画が作られ始め、発行は明治20年代に最盛期を迎えた。美濃加茂市民ミュージアムでは瑞浪市の半原版画館館長の糸魚川淳二氏が収集した明治の石版画のコレクションを収蔵し、企画展を2回開催している。