美濃加茂事典
神保朔郎(じんぼうさくろう)
 美濃加茂市の地域史研究家、歴史学者(1924~1985)。富山県出身。美濃加茂市蜂屋小学校勤務時代に「蜂屋の歴史」を手書き印刷でまとめたのを皮切りに、地域の歴史と文化財の調査研究を地道に進めた。1976(昭和51)年、市制施行20年を記念して『美濃加茂市史』の刊行が計画された時、編さん室長として迎えられ、平易な表現でありながら極めて高い水準の内容の市史を完結させた。史料編・1977年、民俗編・1978年、通史編・1980年の3巻構成である。
  文化財に対する造詣も極めて深く、美濃加茂市文化財保護審議会委員、岐阜県文化財巡視員などをつとめ、専門的立場から指導助言を行った。また、1974年から長きにわたり、美濃地方に多くの会員を持つ民間の研究団体「美濃文化財研究会」の事務局として会を主宰、毎月の会報を手書きで発行し、草の根の郷土史の発展に尽力した。市史の完結後、再び古井小学校で教壇に立つが、1983年に退職し、美濃加茂市教育委員会社会教育課において地域の歴史研究調査を進めた。神保の研究業績は、現在の美濃加茂市民ミュージアムの博物館活動と歴史研究の基礎となっている。

【基本図書】『市史/史料編』『市史/民俗編』『市史/通史編』
【図書資料】№326『蜂屋の歴史』、№333『瑞林寺史』、№553『蜂屋の歴史 史料編一』、№731『蜂屋の歴史 第二部』、№732『蜂屋の歴史 第三部』、№1159『蜂屋の歴史 史料編3』、№1223『蜂屋の歴史 第一部』、№3153『蜂屋の歴史 史料編2』

【展示情報】常設展「神保朔朗」