美濃加茂市民ミュージアム 現代美術レジデンスプログラム 林武史 石の記憶、泥の声

1988年から10年間続いた「美濃加茂彫刻シンポジウム」。美濃加茂市は、作家がこの地で制作した現代彫刻の数々を見ることができる「清流と彫刻のまち」です。そして、その流れと考え方を引き継ぎ、「芸術と自然」をオープニングのテーマとして、2000年10月1日に美濃加茂市民ミュージアムは開館しました。以後、当館では毎年「芸術と自然」をテーマに現代美術家を招へいし、滞在制作と展覧会を開催してきました。開館20周年にあたり、現代日本の彫刻界を代表する岐阜県出身の彫刻家・林武史(1956年~)を紹介します。
林武史は長年、石を用いた壮大な彫刻作品を発表し続けています。石という素材が持つ本来の質を見つめ、表現の可能性を探り、その多彩な表情を引き出すように造形します。その石の塊を幾つも並べ、連なりと空隙が独特のリズムを宿す空間を作り上げてきました。
2000年頃から作家は、土や泥を使って、山や田をモチーフとする「彫刻」を手がけています。大地の変動の歴史が刻み込まれた石、そして人の営みを支え続けてきた土。自然の景色と時の流れに息づくように、その地に根を下ろして生き続ける林の彫刻は、遺跡や日本の暮らしの原風景を彷彿とさせます。今回の展覧会では、木曽川の石と泥土を用いた作品≪水田―美濃加茂≫を中心として、この地の風土や太古の自然のイメージを巡る新作を発表します。
また、作家がミュージアムのアトリエに滞在して、一般の参加者とともに館を囲む森の中で巨大な泥の山を作り上げるワークショップ「月に吠える」をこの夏に開催します。そして2019年度に寄贈を受けて新たに設置した野外彫刻≪舞の所作≫をはじめとする、大型の石彫を展示いたします。
林の彫刻に息づく造形の美と土着の精神は、観る者の感性を静かに揺り動かし、人間の意識の奥底に眠る自然との交わりの記憶を目覚めさせるものです。このような作品の在り様は、この地にまつわる歴史を掘り起こし、五感を刺激し、新たな文化の創造を目指す地域ミュージアムとして当館が理想とする姿にも重なります。 石の記憶をたどるように、泥の声を聞くように、五感を澄ませて林武史の世界との対話をお楽しみいただければ幸いです。
林武史は長年、石を用いた壮大な彫刻作品を発表し続けています。石という素材が持つ本来の質を見つめ、表現の可能性を探り、その多彩な表情を引き出すように造形します。その石の塊を幾つも並べ、連なりと空隙が独特のリズムを宿す空間を作り上げてきました。
2000年頃から作家は、土や泥を使って、山や田をモチーフとする「彫刻」を手がけています。大地の変動の歴史が刻み込まれた石、そして人の営みを支え続けてきた土。自然の景色と時の流れに息づくように、その地に根を下ろして生き続ける林の彫刻は、遺跡や日本の暮らしの原風景を彷彿とさせます。今回の展覧会では、木曽川の石と泥土を用いた作品≪水田―美濃加茂≫を中心として、この地の風土や太古の自然のイメージを巡る新作を発表します。
また、作家がミュージアムのアトリエに滞在して、一般の参加者とともに館を囲む森の中で巨大な泥の山を作り上げるワークショップ「月に吠える」をこの夏に開催します。そして2019年度に寄贈を受けて新たに設置した野外彫刻≪舞の所作≫をはじめとする、大型の石彫を展示いたします。
林の彫刻に息づく造形の美と土着の精神は、観る者の感性を静かに揺り動かし、人間の意識の奥底に眠る自然との交わりの記憶を目覚めさせるものです。このような作品の在り様は、この地にまつわる歴史を掘り起こし、五感を刺激し、新たな文化の創造を目指す地域ミュージアムとして当館が理想とする姿にも重なります。 石の記憶をたどるように、泥の声を聞くように、五感を澄ませて林武史の世界との対話をお楽しみいただければ幸いです。
展覧会名 |
美濃加茂市民ミュージアム 現代美術レジデンスプログラム 林武史 石の記憶、泥の声 |
会期 |
2020年(令和2年)9月19日(土曜日)~10月25日(日曜日) |
休館日 |
月曜日(ただし祝日の場合は開館し、直後の平日休館)、9月23日、28日、10月5日、12日、19日 |
時間 |
午前9時~午後5時 |
観覧料 |
無料 |
会場 |
企画展示室・美術工芸展示室・森 |
主催 |
美濃加茂市民ミュージアム+アートボランティア |
協力 |
西濃建設株式会社 |
関連企画Ⅰ ●ワークショップ「月に吠える」
内容 |
彫刻家の林武史さんと一緒に大きな泥の山を作ります。日干しレンガを積み上げて大きな山を作り、みんなで作った山の上に登って、月に吠えるイベントを行います。 大人も子供も参加できます。泥遊びのできる服装でお出かけください。 |
山を作る |
2020年(令和2年)9月19日(土曜日)①午前10時~11時30分 ②午後3時~5時 会場 ― みのかも文化の森 ひのき広場 *雨天の場合、9月20日(日)に延期。 |
月に吠える |
2020年(令和2年)10月3日(土曜日)午後6時~8時 会場 ― みのかも文化の森 ひのき広場 *作家のトークも行います。 |
定員 |
各30名(応募者多数の場合は抽選となります。定員に余裕がある場合、当日申し込みも可能です。みのかも文化の森までお問合せ下さい。) |
申込方法 |
事前申込(期間:開催日の前日まで) 電話、はがき、ご来館、文化の森ホームページ講座申込み専用フォームで受付 講座名「林武史ワークショップ」参加希望日と時間(①か②)と氏名、住所、電話番号をご記入の上、みのかも文化の森までお申し込みください。 FAXによる受付は行いません。応募者多数の場合は抽選となります。定員に余裕がある場合、当日申し込みも可能です。みのかも文化の森までお問合せ下さい。 |
関連企画Ⅱ ●林武史 ミュージアムトーク
内容 |
作家が展示室から森の中を回りながら、今回の滞在制作や展示作品についてお話しします。 |
期日 |
2020年(令和2年)10月3日(土曜日) |
時間 |
午後2時~3時 |
会場 |
企画展示室 |
参加料 |
無料 |
関連企画Ⅲ ●バスツアー:林武史のアトリエ見学
内容 |
岐阜県白川町にある林武史のアトリエを見学するバスツアーです。石の彫刻が作られる制作現場をご見学いただけます。 |
期日 |
2020年(令和2年)10月10日(土曜日) |
時間 |
午後1時~4時30分 |
参加料 |
100円(保険代) |
定員 |
10名(応募者多数の場合は抽選となります。) |
集合場所 |
みのかも文化の森 エントランスホール |
申込方法 |
事前申込(期間:8月18日(火)~9月13日(日)) はがき、ご来館、文化の森ホームページ講座申込み専用フォームで受付 講座名「林武史のアトリエ見学」、氏名、住所、電話番号をご記入の上、みのかも文化の森までお申し込みください。 電話、FAXによる受付は行いません。応募者多数の場合は抽選となります。 |