美濃加茂事典
笹谷晃生(ささたにてるお)
 「環境」をテーマとした制作を続ける彫刻家。1977(昭和52)年、東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。銅や鉄、陶やガラスを用い、植物や雲、大気や湿度といった人を取り囲む自然の現象に着目した彫刻を多数手がける。KAJIMA彫刻コンクール金賞(1992年)、タカシマヤ美術賞(1998年)受賞。1980年代末以降には美濃加茂市太田町にあったギャラリーFで個展を重ねて開く。現在は神戸芸工科大学の教授を務め、関西を中心として活動。その彫刻は硬質な素材の肌合い、鋭い垂直線、曲線による有機的なかたちなど、様々な表情を有しており全体に洗練された美しさが宿っている。作品を置いたときの空間の「景観」を強く意識し、伝統的な日本の自然観に今日的な環境に対する意識を重ね合わせ、独自の世界観を表現する。2011年の美濃加茂市民ミュージアム企画展「景観の彫刻―庭―」では、複数の作品によって構成されるインスタレーションを発表した。
【作家情報】笹谷晃生
【図書資料】№20978『景観の彫刻-庭- 笹谷晃生展』
【美術工芸作品】№880《草本》
【展示情報】企画展2011「景観の彫刻-庭- 笹谷晃生展」