美濃加茂事典
水谷弓彦(みずたにゆみひこ)
 国文学者・小説家(1858~1943)。不倒(ふとう)。愛知県出身。東京専門学校(現:早稲田大学)卒。在学中から坪内逍遙に師事。回覧雑誌「葛の葉(くずのは)」(後「延葛集(はうくずしゆう)」)に近松研究を発表。卒業後『早稲田文学』に「十返舎一九」「式亭三馬」などの論文を発表。1910(明治43)年『近松傑作全集』を坪内逍遙、島村抱月(島村瀧太郎)らと共同で刊行するなど近世文学の研究を行った。1906(明治39)年文芸協会の創立には発起人として新劇運動にも参加した。水谷は幼少期から名古屋の貸本屋大惣(だいそう)に通った。草双紙など知識に富み、大惣が廃業するときには逍遙と共に蔵書の整理に尽力した。
【図書資料】№1491『坪内逍遙事典』p354
【歴史資料】№2378『坪内逍遥』p229,266、№2406『坪内逍遙研究資料 第一集』p107、№13084『逍遙日記 延葛集1号』、№13098『逍遙日記 延葛集2・3号』、№13099『逍遙日記 延葛集4・5号』、№13262『早稲田と文学の一世紀』p32
【展示情報】企画展2014「逍遙-思いを伝えた手紙と人―」