美濃加茂事典
横井也有(よこいやゆう)
 尾張名古屋の俳人(1702~1783)。名を時般(ときつら)といい尾張藩士であった。俳諧は20代の頃、美濃派の太田巴静(はじょう)に指導を受けたという。俳諧や俳文のほか、短歌や漢詩、狂歌や俳画などを手掛け、53歳で職を退いた後は名古屋城南の前津に隠栖し、「知雨亭(ちうてい)」と名付けた庵に暮らした。代表作『鶉衣(うずらごろも)』は也有の死後、太田南畝によって刊行されたものである。
 瑞林寺境内に也有の句碑がある。78歳の時のものと記されている。碑は折れて再建され、表面も摩耗しており全てを読むことはできないが、「・・・なくや 雉の聲」が読み取れる。この頃、也有は『張城人物誌』に著名人として紹介され、また『蓬生亭説』を作っている。4年後、也有は82歳で生涯を閉じた。
【図書資料】№16『美濃加茂市の文学碑』p19、No.27140『瑞林寺五百年のはるかな旅展」p21
【展示情報】企画展2019「瑞林寺500年のはるかな旅展」