美濃加茂事典
堀滋美(早川滋美、岡田浩介)(ほりしげみ)
 長尾和男と深いかかわりのあった詩人(1915~2003)。稲葉郡芥見村生まれ(現岐阜市芥見)。東京医科大学卒業後、名古屋日赤病院などいくつかの病院勤務を経て多治見市に開業、外科医、医学博士。1946(昭和21)年当時住んでいた武儀郡関町(現関市)の書店で文芸雑誌『若葉文藝』に出会い、森山の若葉文藝社を訪れ長尾和男と出会う。当初は小説を志していたが、長尾に勧められて詩作をするようになり、詩誌『詩稿』同人となる。その後『SATYA』同人。同じ頃、『濃飛文化』などに「岡田浩介」のペンネームで執筆していた。濃飛文化会愛知支部副支部長でもあった。大阪時代には詩人浜田知章、詩人小野十三郎らと交友があり、長尾らが大阪を訪れたときには共に小野の自宅を訪問した。1971(昭和46)年、長尾が小説家の井伏鱒二を訪問したのに同行したのをきっかけに井伏と交流があった。長尾和男亡き後、『SATYA』主宰となり、渡辺力と共に『SATYA』の編集発行を存続した。詩の他、小説も書いた。小説『信州高原』では若葉文藝社の経営に携わった長谷川史郎を主人公のモデルにしている。文芸の他に写真歴も長く、名古屋で個展も開いた。『青灯』『東濃文学』同人、中日詩人会会員。
【図書資料】№511『多治見市史 通史編 下』、№23149『「地方」文化のつくりびと―詩人・長尾和男と若葉文藝』p35
【歴史資料】№18691『若葉文藝 別冊1』、№19457『SATYA 詩文学雑誌 45』、№19465『さちや SATYA 詩文学雑誌 57長尾和男追悼号』、№19476『詩誌サチヤ SATYA 69』、№19477『詩誌サチヤ SATYA 70』、№19478『詩誌サチヤ SATYA 71』、№19501『詩誌サチヤ SATYA 95』、№19502『詩誌サチヤ SATYA 96』、№19503『詩誌サチヤ SATYA 97』、№19504『詩誌サチヤ SATYA 98』、№19505『詩誌サチヤ SATYA 99』№19506『詩誌サチヤ SATYA 100』、№19740『詩誌 さちや (2002~2008)』(№123,124)
【展示情報】企画展2014「「地方」文化のつくりびと―詩人・長尾和男と若葉文藝」
【関連情報】〈中央図書館〉『若葉文藝』100214824、100214832、100214840、100214857、100214865、100214873、『詩集 飛騨山峡の詩』101135010、『沢蟹』100198589、『信州高原』100796713、『炎の街 堀滋美第2詩集』100862226、『無影灯』100862325、『月刊個人詩集』100862903