美濃加茂事典
阿部栄之助（あべえいのすけ）
　長野県小県郡生まれ（1880［明治13］-1954［昭和29］）。明治41年、東京高等師範学校を卒業後、岐阜県師範学校に勤める。大正11年に恵那中学校（現恵那高等学校）の初代校長で赴任、昭和4年から15年までは大垣中学校長（現大垣北高等学校）を務める。退職後は岐阜県教育会の主事、戦後は岐阜大学教育学部の講師として後進の指導にあたるなど岐阜県教育界の向上に尽力した。一方、大正から戦後においての岐阜県歴史研究を語る上で欠かせない存在である。大正4（1915）年から『岐阜県教育会雑誌』に「濃飛仏教史綱」を10回連載。
　大正5年から大正13年にかけ『濃飛両国通史』（発行：岐阜県教育会）を執筆する。上下2巻、1750頁に及ぶ大著である　大正5年に始まり大正10年に刊行された『岐阜県加茂郡誌』の校閲（実質的には編纂作業を行っていたと思われる。）を阿部は行った。「古蹟」の分野においては、地元の歴史家・林魁一の全面的協力を得て編纂にあたった。
【基本図書】『市史/通史編』p962