美濃加茂事典
小川栄一(おがわえいいち)
 岐阜県揖斐郡鴬村(現大野町)生まれ(1881[明治14]‐1963[昭和38])。明治41年に愛知県の貝塚調査に関わって以降、岐阜県・愛知県の多くの遺跡を調査し、明治から昭和初期にかけて美濃の古墳すべてを踏査したとされ、その記録を学会で広く紹介した。岐阜県において同時期に調査研究を進めた太田町の歴史家・林魁一小川栄一は深い交流があり、西の小川、東の林とも言われたという。
 岐阜県史蹟名勝天然紀念物調査委員としても活躍し、多くの調査報告や史誌の編纂に関わり研究会活動もリードした。大正3年5月に岐阜市加納において、林魁一や土岐琴川らとともに「美濃考古史談会」を発足させた。小川は大正15年に結成された「美濃考古会」の中心的人物でもあり機関誌「山美水濃」を発刊した。また昭和6年の岐阜県教育会「郷土館」の開設などにも大きな貢献をした。
【基本図書】『市史/通史編』p112,128,143