美濃加茂事典
日下部一司(くさかべかずし)
1953(昭和28)年、岐阜県郡上市に生まれる。1976(昭和51) 年に、大阪芸術大学美術学科版画専攻を卒業。関西を拠点に活動を展開。版画やインスタレーション、既製品を用いたオブジェなど多様な手法によって、既にある物や風景についての認識を問う表現を続ける。近年は、風景を独特の視点で捉えた写真作品を制作。町中や里山など生活の場から抽象的な形態、形や線の関係性、力の均衡などを見出して風景を切り取り、「雑巾がけ」と呼ばれる古い彩色方法で作品に仕上げる。太い線に縁どられたセピア調の写真は、近代日本の古写真を想起させる。2022年度の現代美術レジデンスプログラムとして作家は2022 年8 月に当館のアトリエ棟に宿泊滞在しながら美濃加茂市内を歩き回り撮影に取り組んだ。展覧会では美濃加茂の新作20点を含む106作品を展示した。
【展示情報】企画展2022「風景を愛でる 日下部一司」