美濃加茂事典
太寧寺(たいねいじ)
 美濃加茂市加茂川町にある黄檗宗の寺院。山号は医王山。開基は隠元2世の法孫である丹崖道永日。勧請開山を隠元隆琦とする。本尊は薬師如来で、その脇仏に日光、月光菩薩、両側に十二神将像が立つ。昔は近郷より参詣者が多く、店も出て大いに賑わっていたといい、娘たちが盛装して参詣したため「嫁がほしけりゃ太田へござれ、太田薬師は嫁薬師」という俗謡がうたわれた。天和2(1682)年に建てられた本堂は特殊な唐様の土間式となっており、県下の黄檗宗寺院の中でも最も早い時期の建築とみられ、市の有形文化財に指定されている。また重軽(オモカル)石という石仏は、参拝者がこの石仏を持ち上げて願い事のかなうかどうかを占い、重軽大明神や重軽様といって崇められたという。
【基本図書】『市史/民俗編』p393,394,453、『市史/史料編』p977,978
【図書資料】№18『美濃加茂の文化財―改訂版―』、№2775『旧中山道太田宿調査報告2(町並)』、No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p103、№22321『中山道太田宿に生きた人々』
【データベース】「美濃加茂市の文化財」指定文化財一覧 太寧寺本堂(市指定)