美濃加茂事典
鴻鐘(こうしょう)
 美濃加茂市伊深町寺洞の龍安寺の楼門(市指定有形文化財)にかかる梵鐘。昭和37(1962)年、県重要文化財に指定。至徳元(1384)年の銘があり、美濃源氏厚見郡川手城主の土岐康行(?~1404)から同寺に寄進されたことがわかる。戦国兵乱の時期に、灰燼となるのを恐れて、長い間土中に埋めてあったが、享保15(1730)年に永安寺西隣の土中から発見された。青銅製で総高113㎝、口径60.5㎝を有し、南北朝時代のごく平均的な大きさの鐘である。鋳造者は大和国下田の鋳物師の葛木友宗。葛木(葛城)氏は南北朝時代から室町時代前半にかけて最も活躍していたことが知られている。
【基本図書】『市史/通史編』p302,303、『市史/民俗編』口絵、p25,414,415,416,476,477,892~899
【図書資料】№18『美濃加茂の文化財―改訂版―』、No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p38
【歴史資料】№7316「碧雲山什物調牒 龍安寺」