美濃加茂事典
箱笈(はこおい)
箱笈は修験者などが仏具・衣類・食器などを納めて背に負う箱のこと。美濃加茂市伊深町・禅徳寺に伝わる箱笈は、妙心寺の開山である関山国師が伊深の里に隠棲していた際、背負ってこられた笈(おい)と伝えられている。この笈は漆塗りで、真鍮と鉄の飾り金具を施した逸品である。中には護持仏として釈迦三尊像が納められ、釈迦如来像は16㎝、文殊、普賢両菩薩は各々13㎝の細密な小像だが、螺髪は刻み出しで衲衣(のうえ・僧が着る法衣)の衣文は流麗に仕上げられている。この技法と彩色等の点からみて、慶派の作風であると判断できる。笈、および釈迦三尊像はそれぞれ室町時代の様式を具えている古い作風のものである。昭和54(1979)年、市有形文化財に指定。
【基本図書】『市史/民俗編』p440,441
【歴史資料】№7320「禅徳寺宝物取調目録」
【データベース】「美濃加茂市の文化財」指定文化財一覧 箱笈と護持仏(市指定)
【展示情報】企画展2022「ハコ展―箱膳からハコモノまで―」