美濃加茂事典
カモシカ(かもしか)
 カモシカは、ウシ科カモシカ属に分類される日本固有の動物。地域を定めず昭和30(1955)年に国天然記念物に指定されており、美濃加茂でも頻繁に生息が確認されている。北海道を除く全国各地方の山岳地帯にすみ、特に日本アルプスの1,500m以上の森林帯には広大な生息地がある。鈴鹿山地から紀伊半島の山岳地帯も代表的な生息地となっている。カモシカは、ニク、クラシシ、アオジシなど地方によって種々の呼び名があり、古くから肉や毛皮を得るための主要な狩猟獣であった。密林を好み、群生せず、繁殖も一産一仔であって、生息地は局限されている。かつて主に乱獲の影響でその生息数が著しく減少したが、その後の保護対策などにより、昭和60年(1985)の環境庁による調査では、生息概数が10万頭と推計され、分布域の拡大と生息数の増加が報告されるに至った。それに伴い人工林の幼齢木の食害が目立ち始め、現在もカモシカの食害防止と保護対策が各地で実践されてきている。
【図書資料】№25667『このあたりの自然 加茂地区の生物多様性調査からみえてきたこと』、№27134『守りたい加茂の豊かな自然』
【データベース】「美濃加茂市の文化財」指定文化財一覧 カモシカ(国記念物)