美濃加茂事典
龍福寺(りょうふくじ)
 加茂郡富加町加治田にある臨済宗妙心寺派の寺院。寺伝によると弘治3(1557)年の開創という。この時に龍福寺の前身である小庵が加治田城主佐藤紀伊守の母(徳林妙福大姉)の寄進によって設けられました。その後は、文献によると永禄10(1567)年、堂洞城落城の2年後に加治田城主佐藤紀伊守が佐藤家の菩提寺として寺院を寄進し、天猷玄晃を迎えて開山とした。時報の合図などとして使用していた雲版一面が岐阜県重要文化財に指定されている他、白隠慧鶴筆「達磨図」、「尊字」や、室町時代の作と推定される「絹本着色涅槃図」など多数の宝物を有する。正眼寺を再興したことで有名な雪潭紹璞が若き時代に修行を積み、悟りを得た場所としても知られる。雪潭は文政6(1823)年、師である棠林和尚に従い、郡上の慈恩寺からこの龍福寺に移った。開悟の後も彼のもとで修行を重ね、天保2(1831)年に出家の寺、和歌山・大泰寺の住職となった。
【基本図書】『市史/通史編』p273
【図書資料】№764『富加町史/下巻 通史編』