美濃加茂事典
雪潭壁画(せったんへきが)
 本図は美濃加茂市蜂屋町・瑞林寺本堂の鴨居の上に描かれる壁画で、たたみ1畳ほどの大きさの絵が18面あり、十六羅漢や達磨大師、鳳凰などが描かれている。「天保戊戌春」(天保9(1838)年)と明記されることから、この頃に描かれたものであるとわかる。昭和48(1973)年に市有形文化財に指定された。「雪潭」の落款があることから、長らく正眼寺を再興した雪潭紹璞(1801~1873)の作と考えられていたが、その絵は彩色を施した密画であり、雪潭の得意とした禅画の作風とは趣を異にするものである。あるいは、同時代に活躍した尾張・成瀬家の家臣であり、絵もよくした福本雪潭の作である可能性も考えられる。福本雪潭は華麗な絵画作品をはじめ、寺院の障壁画なども描いており、臨渓院や本龍寺や本光寺妙見堂など犬山城下の寺院に多く彼の作品がのこる。また、当時の犬山焼デザイン創案にも携わったことが知られている。
【データベース】「美濃加茂市の文化財」指定文化財一覧 雪潭壁画(市指定)