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第22回岐阜県移動美術館 中川ともと坪内節太郎-芝居絵の世界展


 岐阜県美術館は、1982年の開館以来、県民の文化芸術創造の拠点として広く親しまれています。館にはさまざまなコレクションがありますが、その一つに日本を代表する地域ゆかりの作家の作品があります。この展覧会では、その収蔵品の中から、中川とも(1890-1982)と坪内節太郎(1905-1979)の芝居絵の世界をご紹介いたします。
 美濃地方は、昔から民衆に支えられ伝承されてきた地歌舞伎や文楽など地芝居がさかんな地域で、現在も各地で上演が行われています。
 岐阜県中津川町(現中津川市)に生まれた中川ともは、地芝居の伝統が深く浸みこんだ風土で育ち、1908年(明治41)師範学校を卒業後、小学校の教諭となります。芸事や絵を好んだ父を見て育ったこともあり、日本画に興味を持った中川ともは、当時画壇で活躍していた女流画家らに関心を抱いて、自らも画家を志します。教職の傍ら、画家としての生活を送っていましたが、1931年(昭和6)の退職後、画業に専念します。郷里で、地芝居に携わる人々に接し、自らも女義太夫師として舞台を務めました。日本画から油彩画の時代を経て、70歳頃から画業の中心は地歌舞伎や文楽を題材にした芝居絵となっていきました。型破りで人情味あふれる作品からは、地芝居の舞台の熱気が伝わってきます。
 岐阜県稲葉郡那加村(現各務原市)に生まれた坪内節太郎は、洋画家、水墨画家そして詩人としても活躍しました。青年期を大阪で過ごした後、春陽会での入選を機に、1926年(大正15)画家を志して上京します。昭和に入ってからは、国画会や独立美術協会に出品します。1946年(昭和21)には、行動美術協会へと活動の場を移し、油彩とともに水墨画の作品を発表していきます。芝居好きの父の影響もあって、歌舞伎や文楽をこよなく愛した坪内節太郎は、芝居の一場面一場面を瞬時にとらえ、墨の味わいを生かし伸びやかな筆致で描写しました。矢立と写生帖を携え、芝居の客席で気の赴くまま筆を走らせたスケッチは、膨大な量に及ぶと言われています。
 領域にとらわれることなく独自の画法で描いた芝居絵の作品を中心に、二人の多彩な画業をあわせてご紹介いたします。
日 時 9月17日(水)〜10月26日(日)
休館日は、9/22・9/23・9/29・10/6・10/14・10/20
ところ みのかも文化の森・美濃加茂市民ミュージアム
観覧料 一般300円(200円)、小中学生150円(100円)
( )は20名以上の団体料金、かるちすとくらぶ会員

関連事業
■プレ企画「美濃の地芝居を観る-東白川村歌舞伎」
日 時 9月14日(日)午前10時出発-午後3時帰着
定 員 30名
場 所 加茂郡東白川村はなのき会館(バスにて現地まで移動)
参加料 500円
※ハガキまたはご来館による事前申込です(8月28日まで)。
詳しくは、お問い合わせください。
講 師 菊池 明 氏(財団法人逍遙協会元理事長)

■ミュージアムフォーラム「中川ともと坪内節太郎の芸術」
日 時 10月5日(日)14:00〜15:30
定 員 120名
場 所 緑のホール
観覧料 無料
講 師 岡田 潔 氏(岐阜県美術館学芸員)

■アートな1日講座「隈取アート」
日 時 10月12日(日)13:00〜16:00 受付は12:30〜
定 員 10名
場 所 エントランスホール
参加料 500円
講 師 原田 宙 氏(絵かき、美濃・飛騨歌舞伎化粧師)

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