美濃加茂事典
旧太田脇本陣林家住宅(きゅうおおたわきほんじんはやしけじゅうたく)
旧中山道太田宿に現存する脇本陣。当主の林家は江戸中期、脇本陣を勤めるかたわら庄屋として尾張藩太田代官の指揮下で宿の行政事務を取り、また家業として質屋や味噌・溜の製造販売も営んでいた旧家である。最盛期には、東西25間の間口、土蔵9棟、馬屋3棟、離れ座敷などを持つ壮大な構えであった。1971(昭和46)年12月に主屋・表門・質倉・借物倉の4棟が近世の大規模商家の屋敷構えを伝える数少ない貴重な遺構として国の重要文化財に指定された。
1983(昭和58)年9月の木曽川氾濫(9.28災害)によって大きな被害を受け、主屋と表門の全解体修理工事が国庫補助事業で行われた。事業に伴う調査の結果、主屋のうだつの鬼瓦に銘が発見され、創建年代は1769(明和6)年と判明した。西に接する隠居家は、残されている家相図から文政12年(1829年)の創建とされ、2000(平成12)年に付属建物と併せて重要文化財に追加指定された。2002(平成14)年から国庫補助事業として全解体修理工事が行われた。2006(平成18)年4月から隠居家部分が一般開放されている。
【基本図書】『市史/通史編』p508~510、『市史/民俗編』p20,21、『市史/史料編』p634
【図書資料】№265『重要文化財旧太田脇本陣林家住宅質倉借物倉保存修理工事報告書』、№342『重要文化財旧太田脇本陣林家住宅 主屋・質倉・表門・借物倉修理工事報告書』、№906『中山道 美濃十六宿』、No. 916『中山道太田宿の歴史(岐阜県郷土歴史資料研究協議会会報)』、No. 1170『中山道太田宿脇本陣宿泊者名簿 天保2年-安政6年』、No. 2775『旧中山道太田宿調査報告2(町並)』、No. 2805『旧中山道太田宿調査報告書1(民家)』、№14721『写真で見る美濃加茂市五〇年』p20,21,34,35,43,50、№15844『旧太田脇本陣林家住宅隠居家ほか四棟保存修理工事報告書-重要文化財-』、No. 17952『中山道太田宿(美濃加茂ふるさとファイル№11)』、No. 22321『中山道太田宿に生きた人々の系譜』、No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p43,44
【展示情報】企画展2022「好奇心の向かうところ林魁一展」
【データベース】[地域の文化資源→美濃加茂市の指定文化財一覧→国重要文化財 旧太田脇本陣林家住宅]