美濃加茂市の指定文化財
円空作木造馬頭観音菩薩立像(えんくうさくもくぞうばとうかんのんぼさつりゅうぞう)

区分: | 市指定有形文化財 |
種別・種目: | 彫刻 |
時代: | 寛文11(1671)年 |
大きさ: | 56.6㎝ |
所在地: | 三和町廿屋 |
所有者(管理者): | 個人 |
指定年月日: | 1989年(平成元年9月14日) |
解説
円空によって制作された、頭上に馬の頭を表す馬頭観音像です。円空作の馬頭観音像はその多くの造顕に対して数少なく、県内で確認されているのは、ほかに2体のみとなっています。観音洞の祠の棟札には寛文11(1671)年の春、愛馬を弔うため造られたとあり、その制作年代が推定できます。観音洞円空窟(市記念物)とよばれる円空が修行した巨岩の上に小さな祠があり、この像はその中にひっそりと祀られていたといわれます。この窟の前の小道はかつて東濃の神淵へと通じていた山道だったことから、この馬頭観音は街道交通の安全を願う「道祖神」の役割を持っていた可能性も考えられています。
豊かな頬にこぼれんばかりの笑顔をたたえ、永年岩上にあって静かに村人を見守ってきた秘仏の清々しさが感じられる立像です。全体的にはやや硬さを感じさせますが、円空微笑ともいうべき表情は、この時すでに彼の作風が確立していたことを示します。
豊かな頬にこぼれんばかりの笑顔をたたえ、永年岩上にあって静かに村人を見守ってきた秘仏の清々しさが感じられる立像です。全体的にはやや硬さを感じさせますが、円空微笑ともいうべき表情は、この時すでに彼の作風が確立していたことを示します。