美濃加茂市の指定文化財
藤原利隆禁制(ふじわらとしたかきんぜい)

区分: | 市指定有形文化財 |
種別・種目: | 書跡 |
時代: | 室町時代 |
大きさ: | 32×45㎝ |
所在地: | 蜂屋町上蜂屋 |
所有者(管理者): | 瑞林寺 |
指定年月日: | 1973年(昭和48年3月16日) |
解説
藤原利隆は、美濃国守護土岐氏の守護代です。父斎藤利国(近江にて自害)と母一条関白兼良の娘細姫の二男として生まれ、幼名を大黒丸といいました。明応6(1497)年、元服して斎藤又四郎と称し、長井豊後守利隆ともいい、竹ヶ鼻城主でした。永正2(1505)年頃より藤原利隆として関市近在の社寺に禁札(法によってある行為を禁止すること)を発布しています。この禁制はそのうちの一つとみられ、永正8(1511)年3月、斎藤氏の勢力範囲に瑞林寺※の保護のために下したものです。当時、瑞林寺の仁済宗恕は岐阜の瑞龍寺※と行き来があり、斎藤氏との関係も深かったと思われます。なお、この禁制は後世、寺の歴史や由緒が書かれる時に多く転載され、寺のよりどころや権威付けのためにも使われました。現在、書状を写した高札も現存しています。
- 瑞龍寺…岐阜市寺町にある臨済宗妙心寺派の寺院。美濃国守護、土岐成頼の菩提所として悟渓宗頓が開山した。
- 美濃加茂事典No.602「藤原利隆禁制(ふじわらとしたかきんぜい)」