日本近代を代表する劇作家、小説家、教育者。加茂郡太田村（現在の美濃加茂市太田本町）生まれ。1883（明治16）年、東京大学卒業後、東京専門学校（現早稲田大学）の講師（のち教授）となる。1885（明治18）年、「小説神髄」「當世書生気質」を発表して明治文壇の先駆をなし、1891（明治24）年には「早稲田文学」を創刊する。明治20年代、伝統演劇の革新をとなえ「桐一葉」「沓手鳥孤城落月」などの史劇を発表する。1905（明治38）年に設立された文芸協会の創立に参画するなど日本新劇運動をリードし、1911（明治44）年には逍遙訳の「ハムレット」を上演、「シェークスピア全集」40巻の個人訳を1928（昭和3）年に完成させた。この年、逍遙は資料や資金を提供し、早稲田大学に演劇博物館が建設された。1935（昭和10）年、熱海の双柿舎で逝去（77歳）。