美濃加茂事典
円空作木造十一面観音菩薩立像(えんくうさくもくぞうじゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう)
 美濃加茂市太田町の観音堂に永く秘仏として祀られていた円空仏。十一面観音とともに、脇侍の善女龍王、善財童子の3体から成る。裏には円空自筆の経文が梵字で刻まれていることが注目される。柔和な表情から、晩年である元禄3(1690)年頃の作であろうと推測されている。のみの跡も優しく、特に十一面観音菩薩像は円空仏特有の微笑をたたえ、円空晩年の円熟した技法によって彫られた類の少ない傑作である。昭和61(1986)年、市有形文化財に指定。
【図書資料】№18『美濃加茂の文化財―改訂版―』、No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p96、№16081『美濃加茂市民ミュージアム紀要 第5集 2006』杉浦綾子「加茂の円空仏について」、№17951『みのかもの円空仏 改訂版』(美濃加茂ふるさとファイル№12)、№22321『中山道太田宿に生きた人々』
【データベース】「美濃加茂市の文化財」指定文化財一覧 円空作木造十一面観音菩薩立像(市指定)